美味しい酢味噌の楽しみ方

お酢を知ろう

ねぎぬた

酢味噌とは、みそをベースに、酢や薬味などの材料を使って、柔らかさを調整した調味料です。味噌をふやかしたり、のばしたりして、さまざまな季節の食材と和えたり、付けタレにしたりします。

酢味噌をすり鉢でするときは、丁寧な暮らしをしている感じがして心が豊かになります。材料をごりごり混ぜるだけなので、とても簡単です!おしゃれなすり鉢を手に入れたら、すり鉢のまま食卓に出すのも素敵です。

醤油ベースの調味料とはまた違った味わいで美味しいので、ぜひ挑戦してみてくださいね!

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自家製酢味噌和えで失敗しないために

必ず味見して調合してください!使う味噌によって、味も、塩分量も、コクもまったく違います。各レシピに目安の分量を載せていますが、ご自身の味覚を信じて、じっくり調整してください。

また、食材と合わせるときは、食べる直前に和えましょう。味噌の塩分で食材から水分が出てくると、味がぼやけてしまいます。

基本の酢味噌の作り方

・白みそ(甘みそ):30g
・砂糖:大さじ1
・酢:大さじ1

味噌の中に砂糖を入れて、すり鉢でよくすりながら、酢を入れます。程よいやわらかさになるまで混ぜ合わせます。定番は山菜の山うどの酢味噌和え。刺身こんにゃくの付け合わせにもよく用いられます。

白みそが食べやすいですが、ご自宅にない場合は、もちろん赤みそでOKです。味噌は、麦や大豆、米など原材料によって味わいがまったく異なりますので、お好みの組み合わせを探してみてください。

からし酢味噌

・練り辛子:小さじ1
・白みそ(甘みそ):40g
・砂糖:大さじ1
・酢:大さじ1

菜の花の辛し和えで定番のからし酢味噌です。練り辛子をすり鉢に入れて十分にすり、白みそと砂糖を入れ、さらによくすります。酢を少量ずつ加えていき、どろりとさせます。ホタルイカなど魚貝類にも合う、ちょっと大人向けの合わせみそです。

木の芽酢味噌

・山椒の葉:2枝
・みそ:30g
・砂糖:大さじ1
・酢:大さじ1

木の芽(山椒の葉)を使った酢味噌です。山椒が好きな方はたくさん入れても大丈夫。やわらかい若い葉を使ってゴリゴリすり鉢でおろしていきましょう。木の芽がペースト状になってから、調味料を混ぜ合わせます。

春の香りという感じがするので、旬の食材と合わせたいです。タケノコやわけぎ、春の山菜の和え物に。焼きおにぎりにもおすすめです。

にんにく酢味噌

薬味の葉にんにくを使った酢味噌。葉にんにくを生のまますりつぶして、味噌と酢と混ぜ合わせます。最近ではニンニクチューブを使ってお手軽にする方もいらっしゃるみたいですね。

ちなみに、高知県の伝統的な調味料に『葉にんにくのぬた』というものがあります。『ぬた』は、酢味噌を和えた料理のことです。高知県では、すき焼きや雑炊、炒め物などさまざまな料理に、日常的に使われているそうです。(※参考:葉にんにくのぬた 高知県 | うちの郷土料理:農林水産省

江戸時代ではいろいろな酢味噌を使っていました

味噌もお酢も昔からある調味料なので、古い料理本などでさまざまな酢味噌が取り上げられています。江戸時代の料理本を調査した研究によると、味噌と酢を使った料理は全部で61品目あったそうです。料理名を見ると、今でも楽しまれているものもあれば、材料が想像できないものまであります。

味噌
(全3品目)
酢味噌,薄みそ酢,赤みそ酢味噌
味噌+香辛料
(全15品目)
辛子酢味噌,唐辛子酢味噌,こしょう酢味噌,山椒酢味噌,しょうが酢味噌,たで酢味噌,わさび酢味噌,木の芽酢味噌,蒜酢味噌,ねぎ酢味噌,にんにく酢みそ,しそ酢みそ,しその実酢みそ,焼き唐辛子酢,けし酢味噌
味噌+食材
(全43品目)
青豆酢味噌,練り味噌酢,白胡麻酢味噌,しぐれ味噌酢,白和え酢,豚味噌酢,大根からし酢味噌,利久味噌酢,友酢きもみそす,豆腐酢みそ,たたきみそ酢,海苔酢みそ,柚酢みそ,せり酢みそ,梅干し酢みそ,煮梅酢みそ,生梅酢みそ,みかん酢みそ,だいだい酢みそ,青梅酢みそ,紅酢みそ,青菜酢みそ,青のり酢みそ,金山寺酢みそ,はじき豆酢みそ,もろみ酢みそ,浅草のり酢みそ,砂糖酢みそ,大根酢みそ,菊葉酢みそ,よめ菜酢みそ,くるみ酢みそ,かや酢みそ,くり酢みそ,こうじ酢みそ,立花酢みそ,豆腐酢みそ,ゆば酢みそ,練りみそ酢,黒胡麻味噌酢,ぬのかわきも味噌酢,南蛮酢みそ,黒酢味噌
表:江戸期の料理本に出現する合わせ酢の種類から一部抜粋
(柳原尚之ほか,江戸期における日本料理への酢の使われ方,日本調理科学会誌,2021,54巻,3号)

300年前の人たちが楽しんでいた酢味噌づくり。やってみたいですね~。

中野 貴之

中野 貴之

酢醸造家/(株)とば屋酢店 第13代目

「お酢のことならなんでもご相談ください」がモットー。お客様に「また使いたいと思っていただけるお酢」をお届けできるよう社員と力を合わせて精進中。セミナー講師も時々お引き受けします。

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