幻の発酵チーズケーキ【酢の粕活用事例紹介】
酢の粕は、お酢を搾ったあとに残る発酵食品です。お酢ならではの酸味をもちながら、質感はペースト状でまろやか。料理に加えると、酸味だけでなく、発酵由来のコクや旨みを添えてくれる、珍しくて新しい発酵素材です。現在、料理人やシェフの方にも関心を持っていただいており、さまざまな活用の可能性が広がっています。

- 未活用資源を“食べるお酢”へ。新しい発酵調味料
とば屋伝統の酢造りで生まれる「酢の粕」は、にごり酢の“にごり”そのもの。酢酸菌がたっぷり入った“食べるお酢”は、「塗る・のせる」など新しい酢の食べ方を提案する逸品です。
今回は、酢の粕の活用事例として、福井県小浜市のまちの駅内にあるプラントベースカフェ 『Cafe Seasons』様の「幻の発酵チーズケーキ」をご紹介します。
とば屋酢店 酒井店の斜向かいにある、プラントベースカフェ

Cafe Seasons 様は、福井県小浜市にあるプラントベースカフェです。小麦・乳製品・卵アレルギーなど、さまざまな理由で食材を制限している方も、そうでない方も、同じように「一口の体験」を楽しめる商品づくりを追求されています。実は、とば屋酢店 酒井店の斜向かいにあるお店です。


商品開発を手がけるのは、菜食料理研究家の NAOYA さん。公式ホームページのSTORYでは、次のように紹介されています。
限られた食材の中でも旨味を出すため
様々な国を渡り研究してきました。
そして、インド家庭料理で学んだマサラの体感から着想を得て、独自の食材ブレンドによって美味しさを引き出す方法を探求されているそうです。
メニューには、看板商品のグルテンフリーワッフルをはじめ、すべてオリジナルレシピの商品が並んでいます。
そんな素晴らしいラインナップに最近仲間入りしたのが、「酢の粕」を使った『幻の発酵チーズケーキ』。チーズを使用しないチーズケーキ。その味わいを支えている素材のひとつが、とば屋の酢の粕です。
最後のピースになった「酢の粕」
『幻の発酵チーズケーキ』は、豆乳ヨーグルト、ココナッツミルク、アーモンドプードル、米粉など、植物性の素材だけで作られています。チーズケーキでありながら、小麦・乳製品・卵を使わない、プラントベース&グルテンフリースイーツです。
何も知らずに食べても、直感的に「おいしい」と感じるチーズケーキ。
このチーズケーキの開発には、とても長い時間がかかったそうです。開発ストーリーによると、途中までは形になっていたものの、「あと少し、何かが足りない」という感覚があり、約3年ほど開発が止まっていたのだとか。
そんなある日、小浜市の職員の方を通じて、とば屋酢店の酢の粕と出会い、試し焼きに加えてみたところ、頭の中で思い描いていた味わいに近づいたそうです。
まさに、最後のピースが揃った瞬間。
そこから、チーズを使わない、とてもユニークなチーズケーキが完成しました。
酢の粕は、米酢を造る過程で生まれる発酵食品です。お酢由来の酸味や、原料のお米由来のアミノ酸が含まれており、料理やお菓子づくりに使うと、単なる酸っぱさだけでなく、味に奥行きやまとまりを与えてくれます。
これまであまり世の中に出回ることのなかった「酢の粕」が、地元・小浜のスイーツづくりに使われ、新しい味わいを生み出している。とば屋酢店にとっても、とても嬉しい活用事例です。
「幻の発酵チーズケーキ」を実食しました


店舗では、プレーンタイプと、ブルーベリーソースをかけたものから選べます。今回はプレーンをテイクアウトして、自宅でいただきました。
一口食べて、まず感じるのは濃厚なチーズ感です。チーズを使っていないのが信じられないほど、しっかりとしたコクがあります。そして、口の中でほろっとほどけるような、まろやかな味わい。甘さはしっかりめで、満足感のある食べ応えです。
酸味という点では、レモンの爽やかさが引き立っていて、お酢らしさはあまり前面に出ていません。「酢の粕をつかっている」と聞くと、ツンとした酸っぱさを想像されるかもしれませんが、実際には、味の土台を支えるように、全体に馴染んでいます。また、冷凍の状態でテイクアウトしたため、よく冷えていて、ひんやりと美味しくいただきました。暑い時期にもいいですね!
酢の粕の可能性が広がっています
「酢の粕」は、これまで世の中に出回ることのなかった新しい発酵食品です。今、料理人やシェフの方々の手に渡ることで、その可能性は少しずつ広がっています。
今回ご紹介した Cafe Seasons 様の「幻の発酵チーズケーキ」は、酢の粕が植物性スイーツの味わいを支えた、素晴らしい活用事例のひとつです。
お酢の酸味、発酵の旨味、ペースト状のまろやかさ。
酢の粕には、料理やお菓子に新しい表情を加える力があります。
とば屋酢店では、これからも酢の粕の活用事例を紹介しながら、発酵食品としての面白さや可能性をお届けしていきます。
おまけ:ドラマのロケ地としても登場しました
まちの駅にあるカフェSeasonsさま。
実は、ドラマ『サバ缶、宇宙へ行く』第8話で、4期生・竹田奏仁と兄・大檎がカフェで言い争う印象的なシーンのロケ地でもあります。ドラマをご覧になった方の中には、「あのカフェだ」と気づかれた方もいらっしゃるかもしれません。
Cafe Seasons様は、金・土・日・祝日のみの営業です。お店で実食されたい方は、営業日をご確認のうえお出かけください。
ドラマのロケ地めぐりのお供に、幻の発酵チーズケーキ。
そして、お近くのとば屋酢店にもぜひお立ち寄りくださいね^^
![]()
中野 貴之
酢醸造家/(株)とば屋酢店 第13代目
「お酢のことならなんでもご相談ください」がモットー。お客様に「また使いたいと思っていただけるお酢」をお届けできるよう社員と力を合わせて精進中。セミナー講師も時々お引き受けします。

